目次
今回の記事では、千と千尋の神隠しのラストシーンについて考察していきたいと思います。
ラストの別れのシーンでハクが千尋に言った
「振り向かないで」
というセリフ。
結果として千尋は振り向くことはなくトンネルを抜けたのですが・・・。
そしてハクが千尋に振り向かないでと言ったのは何故なのか?
考察していきたいと思います。
千と千尋の神隠しラスト、もし振り向いていたらどうなっていたのか?
これに関してはネット上でも様々な噂がありましたので紹介、考察していきたいと思います。
千尋は元の世界に戻れなくなる
日本神話とか、ギリシャ神話でのお約束みたいな感じで「絶対に振り返ってはいけない、見るなタブー」というものが古今東西に広く知れ渡っています。
この噂もおそらくそんな神話から来ているみたいで、有名な神話ではこの約束事である「振り向かない」を破ってしまったがために不幸な結末を迎えたお話が多々あります。
馴染みのあるもので言えば鶴の恩返しなんかもそうです。
きっと千尋もあの時振り向いていたら何か良くないことが起こったのではないか?それは元の世界に戻れなくなるということではないか?という説です。
千尋もカオナシと乗った電車の乗客の一人として半透明の自我を持たない存在になりずっとあの世界でいきつづけることになるんじゃないかなんて噂もありました。
ただこれ個人的には無理やり千と千尋の神隠しを有名な神話に結び付けた憶測にしか思えなくて・・・、正直なるほど!とは思えなかったですね。
千尋は石になってしまい永遠と元の世界に戻れなくなる
こちらも同じく元の世界に戻れなくなってしまうというものなんですが、それにプラスアルファで石になってしまうというもの。
トンネルの入口と千尋とハクが別れる場所に一体ずつ、ダルマみたいな石の置物があり、振り返ると、千尋も石のだるまになってしまう。
今トンネルにあっただるまは過去に異世界を行き来する際に振り返った人であるいう説です。
ダルマさんが転んだで固まることからきてる噂なんでしょうか?
ハクの泣いている姿がそこにはあり、千尋に涙を見せたくなかった
これは単純にハクが千尋との別れを悲しんで泣く姿を見られたくなかったという説です。
だから振り向かないでほしかった、まぁ振り返ったところでハクが泣いてるだけなんだけどね!みたいな・・・。
千尋が自分からあの世界に戻りたくなり、元の世界に戻れなくなる
これは非常に興味深い噂です。
というのも上二つの元の世界に戻れなくなるというものとは全く毛色が異なるんですよねー!
千尋が自ら元の世界が嫌になりあの世界(湯婆婆たちのいる世界)に戻り両親と暮らす元の世界には戻れなくなるというもの。
ハクの言った「振り向かないで」という言葉には油屋で働いていた時の自分を振り返らないでという意味が込められているのではないかという説です。
油屋で働いていた時の千尋は輝いていました。
最初はおぼつかなかった仕事もだんだんとできるようになり一目置かれる存在だった千尋。
宮崎駿監督は千と千尋の神隠しを「冒険」の映画であると語っています。
ドラゴンクエストのように魔王を倒しに行くような冒険では決してありませんが、10歳の少女である千尋にとって、急に放りだされた油屋で働くことは冒険と呼べるものだったのです。
- そんな冒険を通じて自分で考え、行動し活躍していた自分。
- そして元の世界に戻り両親のもとで何一つ危険なことはなくぬくぬくと生活していく自分、変わらない毎日。
過去と今を比較して過去に戻りたい!なんて風には思わないでくれ。
そんな風に思ってしまったらきっとまた千尋はあの世界に行くことになり元の世界には戻れない(戻りたくない)ってことになるから。
だから「振り向かないで」というのは過去の自分に戻りたいなんて思わないでほしい。
そう思ったらそれこそ元の世界には戻れなくなるということだったのかな・・・と。
ハクはなぜ振り向かないでと言ったのか
ラストシーンで振り向いていたら千尋はどうなったのか?
色んな噂がありましたがその真相はわかりません。
ですが僕の考えとして思うことは、
ハクが千尋に振り向かないで欲しいと言ったのは、単純な顔を振り向けることじゃなくて過去の自分を振り返ってあの世界に戻りたいなんてことは思わないでほしい。
忘れているだけ、思い出せないだけで活躍していた千尋の姿があの世界には確かにあった。
だけど戻りたいなんて思わないで前を向いて未来に向かって進んでいってほしい。
https://sk-style.xyz/cinema/977/
宮崎駿監督は千尋という10歳の普通の女の子を通じて、生きる力というものを伝えたかったのだといいます。
千と千尋の神隠しでは、千尋という10歳の普通の女の子が主人公です。
今までは両親がそばにいて守ってもらっていた。
ですが突然油屋と言う社会に放り出されます。
生きるために自分で考え、行動しなければいけない世界です。
もちろん最初は仕事もできず、頼りにならない千尋ですが物語が進むにつれて人が変わったかのような成長を遂げます。
そんな千尋の姿を通じて生きる力を伝えたかった宮崎駿監督。
きっともう後ろを振り返る必要はないのだ。
しっかり前を向いて進んでいって欲しいと言うメッセージが込められているのではないかと思います。
千と千尋の神隠しのハクのその後、ハクの住む本当の世界とは?
ここで気になるのは今度はハクのその後。
ラストシーンの中で湯婆婆の弟子をやめて本当の世界に帰ると言っていましたが、もともと住んでいたコハク川は埋め立てられてしまいそこには帰れない・・・。
と気になりいろんな意見を見て考えた結果、やっぱりハクの住む本当の世界というのは湯婆婆たちのいる世界ではなく、千尋の住む世界のことなんじゃないかと思います。
詳しくはこちらの記事で考察してみました。
https://sk-style.xyz/cinema/956/
千と千尋の神隠しのラストで振り向かないでと言われ振り返っていたら?なぜそんなセリフを言ったのかまとめ
いかがでしたでしょうか?
振り向いていたらどうなっていたのか?様々な噂はあるが真相はわかりません。
ですが僕の考えとしては振り返っていたら過去の自分の活躍や栄光に縛られ、千尋は自分から元の世界に戻れなくなる。
戻りたいと思わなくなってしまう、もしくは両親と暮らす元の世界にいるのに心は湯婆婆たちと仕事したあの世界に置き去りになったままになるということなんじゃないかと思います。
振り向いたらあの世界に永遠に閉じ込められるよとか
石になってしまうよとか
そんなものではなく
そもそもこのセリフに込められていたメッセージとは
過去の自分の栄光や活躍に縛られあの頃はよかった・・・とか、そんな風に後ろばかり見ずにしっかり前を向いて歩いて行ってほしい。
宮崎駿監督がハクを通じて伝えたかった、後ろを振り返らず前に進んでいって欲しいといったメッセージだったのではないかと思います。